公立富岡総合病院
日本の少子高齢化は急速に進行し、当面は毎年小さな県まるまるひとつにあたるほどの人口が減っていくという。群馬県での人口推移は県央部に人が集まり周辺は減少すると予想されている。今回の体験セミナーはそのような周辺部に属する地域を見てもらったことになる。公立富岡総合病院は当診療圏での急性期を、七日市病院は主に慢性期を担当、そして上野村へき地診療所はいわゆる僻地の医療を担っている。このように役割のことなる医療機関を一日で見ることは学生の皆さんが医療に対する考えをめぐらす上できっと参考になると思う。医師の数はこれからどんどん増加していく。臨床医としてはさらに総合的な実力を問われることになるだろう。自分の初期研修としての鍛錬の場所、就職する病院、これらをじっくり検討して頼りにされる医師を目指していただきたい。
当セミナーに参加の学生の皆さんはじめ、今年も10名以上の5年生が当院の見学に来られています。
地域に密着した医療を行っている当院とそのスタッフを見ていただければ幸いです
ところで学生の皆さんは、医師という職業をどのように考えてこの道を目指されたのでしょうか?医師といっても、iPS細胞を研究する人から、特殊な技術を得意に治療を行う人、夜中に救急患者を診察する人、雪道を踏み分けて高齢者の往診をする人、患者家族と深く関わり、その人生を医療の視点から支える人、マスコミで有名になってテレビ出演が多い人・・・・など、
現在日本には30万人の医師が居ます。その30万人の医師がどのような仕事をしているか?学生の皆さんはもちろん、私たちもほとんど知らないのです。マスコミで取り上げられたり、映画になったり、ドラマ化されたりしていますが、現実はもっと多様化していて、皆さんもこれから自分自身がどんな医師になるのか?まさに未知の世界に飛び込むに等しいと考えます。
そんな中で、当院は高齢化率29%という地域にあって、地域の急性期医療、高齢者医療、緩和ケアを含む終末期医療まで、76人の医師と600人の看護師、技術職、事務職でチームとなって任務を遂行しています。何時でも見学、大歓迎いたします。当直付見学もあります。是非事務局まで御連絡ください。そして卒業後、知識や技術のみならず、医療に対するしっかりした理念を持って活躍する医師になって欲しいと念願しています。