公立藤岡総合病院
公立藤岡総合病院附属外来センターでの「医学生のための地域医療体験セミナー」は平成25年9月におこなわれました。外来センターでは外来診療や人間ドック健診を見学しました。また藤岡多野周辺の地域の医療機関と公立藤岡総合病院、附属外来センターとの地域医療の連携システムの現場を見学しました。外来センターでの体験セミナーのメインは訪問看護の現場を体験することです。訪問看護は在宅医療における重要な役割を担う部門です。外来センターに併設する訪問看護ステーション「はるかぜ」のスタッフとともに、ふだんから定期的に訪問しているお宅にうかがいました。患者さんは、手足の筋力低下や筋委縮ではじまり、進行すると呼吸筋麻痺をきたす疾患の方でした。手足の運動障害、言語障害、嚥下障害、呼吸障害があり、家族や医師、看護師の助けをかりて生活していました。この日、患者さんは訪問看護の処置をうけながら、日ごろお世話になっている家族や看護師さんへの感謝の気持ちを、体験セミナーで随行した医学生の人に切々と話してくれました。患者さんが真剣に伝えようとする思いが体験現場にひしひしと伝わりました。本を読んで学ぶことも大切ですが、地域でくらす人の生活の中にはいりこんで医療の現場の声や空気を肌で感じることは心に残る経験になったことと思います。
地域医療はその地域で暮らす人と密接にかかわります。地域ぐるみで病状や生活に応じた診療や援助をします。急性期から回復期、慢性期、在宅から施設まで、医療、介護、予防、住まいが切れ目なく、継続的に、そして一体となって取り組んでいます。これらを提供するのは医師、看護師のみならず、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、保健師、栄養士、社会福祉士、ケアマネージャー、ボランティアなど様々な職種の人たちです。様々な職種が密に連携して地域医療は成り立つものです。
医学生のみなさん、「百聞は一見に如かず」、前橋や高崎から車で20~30分の藤岡市に来て、ららん藤岡によって、公立藤岡総合病院や附属外来センターで地域の医療を体験してみませんか。