利根中央病院
利根中央病院のある利根沼田地域は、香川県とほぼ同面積の中、約10万人の住民が生活しています。昨年、利根中央病院開設60年を経て、今年は新病院が9月にオープンします。この地域の7割の世帯が組合員となっている、保健生活協同組合の病院です。地域の救急医療から、慢性疾患管理、健診、疾病予防活動を、SDH(健康の社会的決定要因)の可視化を念頭に実行しています。また昨年はWHOの提唱するHPH(健康増進活動拠点病院)に加盟しました。今年の4月から総合診療科が本格的に5名体制で診療開始します。今回の地域医療体験セミナーで当院を選択し、利根中央病院で働く多くの職員の、地域医療にかける思いを感じていただきたいと思います。
本年から始まる地域包括ケアシステムへの当院の取り組みなど、都市部の病院とは異なり、地域医療のやりがいのある所だと思います。多くの学生さんに参加していただき、当院の医療の実態を見ていただきたいと考えています。職員一同お待ちしています。
利根沼田地域は群馬県の中でも閉鎖的な地域であり、救急含めて地域完結型医療の割合が比較的高い地域です。その中で、利根中央病院は地域唯一282床・34科の総合病院であり、在宅療養後方支援病院、災害拠点病院、臨床研修指定病院として地域医療の中心的役割を果たしています。救急搬送は圏内4割を受け入れ、多種多様な疾病の患者様が多いのが特徴です。2015年9月から新築移転となり、ますます地域からの期待は大きくなっています。
また、利根中央病院は地元住民が要望をあげ、組合員になり出資して設立された病院です。日常的に組合員が集まって“班会”を開き、健康予防運動などを行い、職員も参加して共につくる健康づくりに努めています。地域住民とのつながりを大事に、組合員みんなで医学生や研修医を心から歓迎し、積極的に関わりを持ってくれます。地域の生の声を聞けるのも当院の魅力の一つです。ぜひ一度当院の地域のニーズに合わせた医療や組合員の健康づくりに触れてみてください。
片品診療所は、人口約4600人の片品村にある無床の診療所です。村にはもう一軒開業医があるだけで、一番近い沼田市の病院まで車で40分の距離にあるため、内科、小児科はもちろん、皮膚疾患、整形疾患、外傷など様々な患者さんが訪れます。また夏場は尾瀬の登山客や合宿の学生、冬はスキー客など、村外から来た人の受診が多くなります。
また、片品村は田舎の割には子供も多いのが特徴で、一般診療の他、予防接種や乳幼児健診も行っています。さらに在宅医療にも力を入れており、訪問診療、訪問看護も行っています。
プライマリ・ケアを学ぶには最適な環境ですので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?