太田記念病院
富士重工業健康保険組合太田記念病院長の佐藤吉壮(さとう よしたけ)でございます。
当院は、2012年6月1日に新築移転後2年半が経過いたしました。
太田記念病院は「患者様・職員にやさしい医療環境と機能を集約したホスピタルスクエア」であり、当院の特徴的な機能としては、まず群馬県東毛地区の第三次救急病院として「地域救命救急センター」を設置することが挙げられます。本年も救急車の受け入れ数は昨年同様月間450~500台を推移しております。又、付随するICU/CCU、HCUを整備して重症疾患に備えております。循環器疾患は心臓血管センターで循環器内科、心臓血管外科がチームで対応をし、手術には県内初となりますハイブリッド手術室を用意して、重症疾患の集中的治療および管理を可能といたしました。心臓血管外科では2012年6月より開心術を開始し、以後年間100例を越える実績を挙げております。
脳卒中などの脳神経疾患に対しては、脳神経外科と神経内科がタイアップして365日の当直体制で対応しており、2014年4月からは神経内科部長が常勤医として赴任し、神経難病への対応も可能となっております。
血液浄化センターでは人工透析に対応しています。また腎臓移植も可能で、既に90例を実施、2014年は5例の腎臓移植を行っております。
周産期センターでは、産婦人科・小児科・小児外科がチームで対応しており、周産期センター中央部に分娩室、NICUを配置しております。また、新生児外科も小児外科が対応しております。一時期縮小しておりましたNICUも順調に稼働し、2013年は極低出生体重児10例を含む88例を、2014年は100例を超える児を加療いたしました。
当院は「思いやりの心で行う医療」を理念とし、4項目基本方針を成し遂げ安全で安心な医療の提供に努めてまいります。
また、医療連携センターを設置することにより他の医療施設とも密接な関係を保ち、地域医療に貢献して行きたいと思っており、病診連携・病病連携を積極的に進めております。
当院の課題でありました内科系医師不足も、2014年9月に消化器内科1名を増員し、循環器・腎臓・神経・内分泌・消化器・呼吸器・総合内科を合わせて19名の常勤となり、血液内科以外はすべて院内で研修可能となっております。
若手医師が臨床経験を積むことは、医師としての経歴において不可欠であると考えますが、当院ではカバーする医療圏が広いため経験できる症例数は多く、1次から3次までの重症度の疾患に対応できる医師の育成に役立つ施設であると自負しております。
地域医療体験セミナー(日帰り型・数日体験型)を通じて、じっくりと当院の見学をしていただきました。当院が行い提供している医療につきまして少しでも理解していただければ嬉しく思います。