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医学生へのメッセージ

群馬中央病院

利根中央病院数日型地域医療体験セミナー in 群馬

 群馬中央病院の数日型医療体験セミナーin群馬に参加いただきましてありがとうございます。今回は「将来のコウノドリ養成コース」として、産婦人科・小児科コースと「治療の手技おなかいっぱいコース」として循環器内科・消化器内科・外科コースを準備させていただきました。これからもいろいろなバリエーションを考えていきたいと思っています。
 ところで、当院は県都・前橋にありますが、地域医療をしっかりやっていこうという病院です。よく誤解されますが、地域医療とへき地医療は違います。前橋という地域にあった地域医療を目指しています。当院は独立行政法人地域医療推進機構の病院で、一般的な疾患をしっかり見ていくことを目指しており、それは当然のことと思っています。もちろん他の病院にはない優れたところもたくさんあります。参加していただいた方に、そこまで理解することはもちろん求めてはいませんが、雰囲気は感じていただけたかと思っています。
 今回のセミナーは医師を目指し始めたばかりの方が多かった様に思います。医療が実際どんな形で進んでいくか、すこしは実感できる様になったのではないかと思っています。病院がどんなことをやっているかを見ていただきたく、少し詰め込みすぎたかとも思ったのですが、参加していただいた方はしっかりとついてきていただいたという実感もあります。皆さんの感想を参考にして、もう少し工夫をしたいと思っています。
 医師を目指している方々のモーチベーションは様々だと思います。はっきりした目的を持っている方は、その熱い思いをうまく育てていくこと。またぼんやりとしてまだ実感が持てていない方には、その目的が見えるようにしていってあげること。そんなことがこのセミナーの目的と思っています。急には難しいと思いますが、日ごろ大学で知識を得ること以外にもこんな体験の積み重ねで次第に目標ができてくるのではないでしょうか。焦ることはないと思います。ゆっくりと自分の考えているフィールドを見つけていってください。そして、そのフィールドは群馬に必ずあると思っています。広く目を開いてください。
 当院はこれからも、このような機会をつくり、臨床医を育てる役割をすこしでも果たしていきたいと思っています。今回のセミナーの体験は、ちょっとした一歩かもしれませんが、将来医師を目指すことに必ず役に立つと思っています。興味のある方はぜひ参加をお待ちしています。

院長: 田代 雅彦

 

 今回当院としてはじめて数日型地域医療体験セミナーin群馬に企画を出すことになり、実は急遽、院長を中心に担当者が集まりました。当院ならではのコースをと言うことで、周産期の実態を垣間みてもらえる企画にしようということになりました。折しも、テレビで綾野剛さん主演のドラマ『コウノドリ』が放映された直後であり、日本産科婦人科学会もこの番組に協力していたという経緯もあり、コース名に敢えてコウノドリの名を入れさせていただきました。
 日本の周産期医療はここ数年危機的状況が続いていますが、群馬県内は比較的活発な病診連携のもと安定した状況で推移しています。当院は前橋高崎地区の総合病院では圧倒的に分娩数が多く、地域周産期センターとして地域の医療に貢献しています。また、リプロダクションセンターを擁していることで、妊娠前の状態から妊娠管理、分娩まで一貫して診療することができることを特徴としています。不育症外来は、広く県内外から患者さんが集まり、県都で推進する地域医療の大事な一翼を担っています。
 以上の当院の特徴を踏まえ、今回のセミナーに当コースを選んでくださった学生さんの慧眼に感服しております。当院は、その設立が法的に裏付けられた病院群に属しています。独立行政法人地域医療機能推進機構法(平成十七年六月二十二日法律第七十一号)という法律で、(機構の目的)について以下のようにしるされています。
 第三条 独立行政法人地域医療機能推進機構は、(中略)施設の運営等の業務を行うことにより、医療法第三十条の四第二項第五号 イからホまでに掲げる医療、リハビリテーションその他地域において必要とされる医療及び介護を提供する機能の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。
 すなわち、地域の住民、行政、関係機関と連携し地域医療の改革を進め、安心して暮らせる地域づくりに貢献することを設立の理念としその使命の一つに「地域医療・地域包括ケアの要となる人材を育成し、地域住民への情報発信を強化します。」とあります。病院の使命に人材育成を掲げ、地域医療への貢献を第一に考える病院なのです。
 今回のセミナーでは当院の周産期医療のほんのちょっとしか齧れなかったとは思いますが、本当にやりがいのある取り組みだと信じています。我々の診療を目の当たりにし、ちょっとでも周産期医療に関心をもっていただけたなら、是非多くの学友にも体験を語っていただけたらと切望します。明日の周産期はあなた方の双肩にかかっていると信じつつ。

産婦人科主任部長: 伊藤 理廣

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