公立藤岡総合病院
『医学生のための地域医療体験セミナーin藤岡』は平成27年8月24日に開催されました。附属外来センターに到着後、この地域の医療の現状説明があり、訪問看護「はるかぜ」の現場体験、人間ドック健診の見学と廻りました。
藤岡市は群馬県の中で、地理的に埼玉県北部と隣接しています。公立藤岡総合病院を訪れる患者全体の30%が埼玉県北部の住民であり、県境を越えた埼玉県との医療連携も重要な役割となっています。
訪問看護の現場体験では、定期的に訪問しているお宅にうかがいました。
患者は、脳梗塞後遺症、慢性呼吸不全、糖尿病の方で、気管切開し人工呼吸器装着、経口摂取できず胃ろう造設、自尿なく尿カテーテル留置、インスリン注射の定時投与など器械とクダにつながれていました。寝たきりで生活動作においてすべて介助を必要とする状態でした。娘と二人暮らしで、月2回の医師の訪問診療、週4回の訪問看護、週1回の訪問リハビリ、週1回の訪問入浴の在宅介護サ-ビスをうけていました。
この日は、医療機器の点検、病状の観察、褥瘡予防、清潔ケアなどをおこないました。訪問看護師は急変時には24時間対応、病態に応じて主治医への連絡や入院手配、医療機器が故障した際や災害時・停電時の機器の電源確保や応急処置の方法の指導確認などをおこない、患者に寄り添う医療の提供がされていました。
人間ドック健診では検査内容と健診の意義、予防医学の推進が重要であるとの話がありました。
その後、セミナーの一行は公立藤岡総合病院へと向かいました。
附属外来センターは公立藤岡総合病院と一体となって、高度な医療を提供し、周辺の医療機関と連携して地域の医療を支えています。今後は平成29年度中に附属外来センターの敷地に公立藤岡総合病院が移転・合体し、急性期、回復期、慢性期、維持期・生活期の医療を包括して提供していく予定です。
地域医療はその地域で暮らす人と密接にかかわります。地域ぐるみで病状や生活に応じた診療の場を設け、医療・介護・予防・住まいが切れ目なく、継続的に供給できるようにしていきます。これらにかかわるのは医師、看護師のみならず、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、保健師、栄養士、社会福祉士、ケアマネージャー、ボランティアなど様々な職種の人たちです。様々な職種が密に連携して地域医療は成り立ちます。
医学生のみなさん、高速道路からの群馬の玄関、藤岡市に来て地域の医療を体験してみませんか。