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医師を目指す方へのメッセージ

伊勢崎市民病院

医師が足りない!~地域医療体験セミナー参加のお誘い~伊勢崎市民病院

 今でも時々子供のなりたい職業に挙げられる医師ですが、これを読んでいる皆さんも、今までに何回かは医師の診察を受けたことがありますね。成人になる前の皆さんは健康そのものですから、せいぜい熱が出たりお腹の調子が悪くなったりで、医師と言えば小児科・内科の家庭医だけの印象だったと思います。
 しかし、だんだん受験をする頃になってくると、いろいろな診療科目があることに気づきます。高齢になればなるほど、いろいろな病気にかかることが増え、これら各方面のスペシャリストが必要になってきます。しかも、どんどん医療が高度になり、スペシャリストも大勢必要な時代になってきました。
 現在は全ての都道府県に最低1校は医学部を有する大学がありますが、まだ一部の都道府県だけしかなかった頃は一学年の学生700人に1人しか医師になれなかったそうです。医学部が増えてからは徐々に割合が高くなり、現在は一学年の人口と医師国家試験の合格数を考えると、100人に1人の日が来るのも時間の問題になってきました。
 では、医師は簡単になれるようになったのか?と言えば、そうではありません。先述のように高度な医療を理解して、ますます高まる患者の期待に応えられるような、知力と熱意のある優秀な医師が求められます。その一方で、最近の超高齢化社会、老々介護、独居老人・・・など、教科書には書いていないような患者さんの生活背景に対する「思いやりと配慮」が必要な事例にも関わることも多いです。
 医学部が数県に1校では医師が全く足りていなかったので、政府は先述のように医学部を各都道府県に1校はあるように増やしていきました。そして目標の医師人口が達成できたため、私が医学部に入学した頃に一度は国立大学では定員を減らしました。しかし、お気づきと思いますが、最近はまた医学部の定員を増やしています。そうです、政府が考える以上に現実にはまだまだ医師が足りないのです。
 今、この冊子を開いて私のコメントを読んでいる医師に興味のある中高生の皆さんは、この道の一歩を歩み出したと言ってもよいかもしれませんね。医学生の皆さんは、既にその志に磨きをかけていることでしょう。当院での地域医療体験セミナーでは、伊勢崎佐波地区だけでなく、埼玉県北部の医療圏をも支える中核病院としての活気ある現場が見学・体験できると思います。
 患者さんやその家族から「ありがとう」の5文字がもらえるように、医師を志す(興味のある)皆さんは切磋琢磨してください。

内科診療部長: 大谷 健一

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