◎責任者からのコメント

長年吾妻医療圏には精神科医療施設が無く、精神障害の治療は郡外の医療施設に依存していた。昭和35年より吾妻郡医師会執行部は精神病院の建設を目指し、39年の臨時総会で「吾妻郡医師会立精神病院建設の件」が議決され、40年11月1日吾妻郡医師会立中之条病院が107床で開院した。53年3月吾妻広域町村圏振興整備組合立中之条病院に改組されると共に160床に増床された。運営は吾妻郡医師会に委託され、当時は指定管理者制度が無かった時代で、全国的にも珍しい公立民営の精神科病院となった。59年に精神科老人精神病棟を63床増床して223床となり、現在に至っている。

◎病院PR

開院以来吾妻郡唯一の精神科医療施設として地域の精神科医療を担っている病院です。治療以外に吾妻保健福祉事務所の精神保健相談への嘱託医師の派遣、吾妻郡精神障害者家族会の運営する地域活動支援センターの活動場所の提供、吾妻准看護学校の実習病院としての役割と講師の派遣、介護認定審査会・障害者認定審査会への委員の派遣等、地域精神保健活動や地域医療において一定の役割を果たしています。

中之条病院は、吾妻地域を主たる診療圏とする精神科病院である。同地域は4町2村からなり総人口は約6万、基本的診療圏としては程よい規模のキャッチメントエリアである。当院は、ここでの急性期医療を担うとともに、地域の保健、福祉サービスのネットワークにも深くコミットしている。吾妻保健所の管轄区域とも重なるこの地域では、保健所が4町2村の保健センターと連携して精神保健相談体制を作るとともに、そこに地域の相談支援センター等も加わって、地域支援のネットワークが整備されてきている。将来的には、こうした精神保健医療福祉のネットワークが、早期介入サービスや再発予防の取り組みに発展することも期待され、それを担う若手医師が求められている。