20-1 病理専門医キャリアパス
群馬大学医学部附属病院:Director; 平戸 純子

キャリアパス概要

日本病理学会認定病理専門医の取得には、臨床研修修了後、4年間の病理学の研修を行い、日本病理学会が実施する専門医試験(筆記試験、実技試験)に合格し、専門医制度運営委員会で認定される必要があります。本キャリアパスでは、病理専門医の取得に十分な知識の取得と多彩な疾患の症例を経験できる大学で研修し、病理専門医を取得した後、地域の病院で独立して病理業務を遂行し、臨床医から信頼される病理医の養成を目指します。

キャリアパス到達目標

・臨床医に必要な3つの力、CCC:Clinical Skill 【S】Clinical Research Mind 【R】Character 【C】
人体病理学の幅広い知識を身につけ、病理標本を丹念に観察して所見を取り、根拠に基づく病理診断を下し報告することができる。【S】
病理学的研究で使われる基本的な検索方法を身につけて、問題症例を自ら検索し疑問点を解決できる。また、検査技師に技術的指導ができる。【S】 【R】
貴重な症例を詳細に検索し、学会や医学雑誌にその成果を発表できる。【R】
病理診断について、臨床の担当医や検査技師とのコミュニケーションをとって、診療の適正化を図ることができる。【C】

取得を目指す資格の詳細

日本病理学会専門医

初期臨床研修を修了後、病理専門医を目指して研修を開始する旨を日本病理学会に通知し登録する。学会から「病理研修番号」と「病理専門医研修ファイル」が配布される。これが研修の指針となり、最終的に病理専門医受験資格申請書類となる。
受験資格として、
・死体解剖保存法による死体解剖資格を有していること。
・出願時3年以上継続して日本病理学会正会員であること。
・初期臨床研修を修了後、日本病理学会の認定する研修施設において4年以上人体病理学を実践した経験を有していること。また、この期間中に病理診断に関わる研修を修了していること。
・人体病理学に関する原著論文または学会報告が3編以上あること。
・人格・見識に関する研修指導責任者の推薦があること。
・人体病理業務の専任していることが挙げられている。
・さらに病理診断に関する細則として、病理解剖症例数40例以上、組織診症例数5000件以上、迅速診断50件以上、細胞診症例数1000件以上の経験が必要とされている。病理専門医試験の受験の申請後、書類審査で受験が認められたものが、専門医試験(筆記試験、実地試験)を受験し、その結果を基に専門医制度運営委員会で審議され、認定される。

病院・施設一覧(順不同)

MAP

キャリアパス・コース

コース図

先輩の声

髙山 佳泰‖平成23年卒業
病理部後期専門研修医の髙山佳泰です。後期専門研修医としてはまだ1年目ですが、大学病院というだけあって非常に充実した症例を経験させて頂く機会があります。病理はなかなか表舞台に立つことが少ないですが、様々な治療が確立されるにつれ、病理の重要性が高まっていると感じています。病理専門医を目指すのならば、環境の整っている大学病院での研修をお勧めします。

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