21-2 総合診療専門医キャリアパス
群馬大学医学部附属病院:Director; 小和瀬 桂子

キャリアパス概要

総合診療専門医を取得するための研修プログラムは、現在(平成26年1月)、関連する学会が集まり協議中のために、ここで詳しく説明することができません。今後、総合診療専門医制度における研修カリキュラムや研修施設認定基準の内容が明らかになれば、その内容に従って研修病院等を選択することになります。また、日本内科学学会が認定する総合内科専門医(2015年医師免許取得者からは、新・内科専門医制度に移行します。)の取得もできるキャリアパスです。最終的には、総合診療という専門性を持ち、地域に貢献することのできる医師の養成を目指します。

キャリアパス到達目標

・臨床医に必要な3つの力、CCC:Clinical Skill 【S】Clinical Research Mind 【R】Character 【C】
総合診療専門医として、地域の医療・介護・福祉・保健活動を支えることができる。【S】
看護師、薬剤師、理学療法士、MSWなどのコメディカルスタッフとチームを構成し、全人的医療を提供できる。【S】 【C】
臓器別専門医と十分な議論を行い、個々の患者にとって望ましい医療を提供できる。【S】 【C】
積極的に国内外の学会等に参加し、最新の知見や技術を学び、医療の現場に活かすことができる。【R】

取得を目指す資格の詳細

総合診療専門医

総合診療専門医を取得するための研修プログラムは、現在(平成26年1月)、関連する学会が集まり協議中のために、ここで詳しく説明することができません。今後、総合診療専門医制度における研修カリキュラムや研修施設認定基準の内容が明らかになれば、その内容に沿うようにキャリアパスを作成します。

新・内科専門医(2015年医師免許取得者からの新制度です)

日本内科学会が認定する新・内科専門医とは、適切な診断と治療をもって一定数以上の内科症例を経験し、かつ医師としての倫理観と安全に関する知識を有し、内科全般にわたる標準的な知識と技能を修得した、チーム医療のマネージャーとして全人的な診療にあたる医師です。その資格取得には、内科200症例以上を経験し、そのうち各内科領域について2例ずつ病歴要約を提出することが求められます。提出した病歴要約は査読を受け、さらに筆記試験を合格することにより、新・内科専門医として認定されます。研修には初期研修を含め、5年を要します。詳細については現在(平成26年1月)、日本内科学会にて協議中です。

subspecialty専門医

上記の総合診療専門医、新・内科専門医を取得後は、個々の希望に沿った研修を継続しますので、さまざまなsubspecialty専門医の取得が可能になります。漢方専門医の取得も可能です。

病院・施設一覧(順不同)

MAP

キャリアパス・コース

コース図

先輩の声

病院総合診療リーダーコース
佐藤 正通
この10年に起きた医学、医療の変遷に目を向ければ、それは激変という言葉に値するものであったように思えます。生物科学、医学の進歩に基礎を置く医学知識の累積、創薬、医療技術の発展等、さらに加速度を増しながら現在でも進行しており、既存形態に依存する医療、福祉を包括する社会保障体制を以てしてはもはや対応困難な時代へと進みつつあります。またこれら国情に対応するべくもたらされた認識の変革は医療現場にも大きく影響を与えており、世界至上未曾有の高齢化といった日本固有の事情がさらに切迫感を以て変革を必須なものとしております。この時節にあってその必要性の再認識と、国家的新規事業としての取り組みとして総合診療医の育成が挙げられます。10年余を超える国民的議論により、その社会上の理念、診療形態や求められる医師の技能は2015年の専門医改定を以て一定の結実をみることとなります。今、この国にそして群馬県に求められる医師像の追求により誕生する医師達。それが総合診療医であり、この地域に根差した医師として、そして医学者としての社会活動、自己表現が医療を必要とする人々の生活の安定と安心を形成する糧となることを強く望んでおります。
総合診療教育者・研究者コース
大高 行博
総合診療医にとって、病態生理を理解した上での臨床推論や処置技術の習得は大変重要ですが、それらの基礎となるのは生命医科学における膨大な基礎研究成果です。多様に分布する患者状態に正確にアプローチするため臨床医自身もその一端を担い、よりマクロな視点から疾病形成の原因究明や診断・治療方法の開発など、個々の研究成果を組み合わせ臨床へ向け展開していく能力が求められます。総合診療分野での幅の広い研修経験を活かし、臓器・疾病非特異的なユニークな研究に取り組んでいます。
地域医療・漢方専門医コース
佐藤 浩子
私の初めての漢方著効例を紹介させてください。症例は関節痛を訴えた20代女性、西洋医学的にも確定診断に至らず、対症療法としてのNSAIDSも副作用で使えない、医師も患者も困ってしまった症例でした。当帰芍薬散という漢方薬を処方後、関節痛の他,併せ持ったその他の症状(腹痛・下痢、冷え、月経困難症)がすべて改善し大変喜ばれたのです。漢方の真の実力はプライマリケアの一般診療の中でこそ発揮できると思っています。西洋医学を勉強しながら、+αとしての漢方を一緒に勉強していきませんか?

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