4-2 認知症専門医キャリアパス
群馬大学医学部附属病院:Director; 池田 佳生

キャリアパス概要

認知症専門医の取得には日本認知症学会が定めた申請資格を有する必要があります。本キャリアパスでは、先行して取得する必要のある日本神経学会専門医を取得した上で、日本認知症学会が定めた教育施設にて一定の修練を行い、認知症領域の専門診療において国際的に通用する標準的かつ先進的な医療を提供して地域に貢献できる医師の養成を目指します。

キャリアパス到達目標

・臨床医に必要な3つの力、CCC:Clinical Skill 【S】Clinical Research Mind 【R】Character 【C】
一般内科診療の標準的な診療技能を身につけ、神経内科専門医・認知症専門医として地域の中心となり活躍する。【S】
新しい知見を積極的に取り入れ、質の高い医療を提供する。【S】 【R】
自らの診療を科学的・客観的に評価し、診療内容の向上に取り組むとともに、疑問が生じた際に適切に解決出来る能力を身につける。【S】 【C】
患者を尊重し多職種と連携し、認知症専門医として求められる医療を提供する。【S】 【C】
福祉・介護・包括的ケアを含めた認知症診療の質の向上に寄与する。【S】 【R】

取得を目指す資格の詳細

日本神経学会専門医

日本神経学会の定める以下の規定を満たした場合に申請することが出来る。
・日本国の医師免許証を有すること。
・受験時に初期研修を含む臨床研修歴が6年以上あり、学会正会員歴を3年以上有すること。
・日本内科学会認定内科医であること。
・臨床研修期間について、学会が認定する教育施設・准教育施設・教育関連施設においての研修が学会の基準を満たすこと。

審査は筆答試験、面接試験(神経学的診察技法と臨床神経学の知識に関する口頭試問)により行う。受験に際しては以下の書類の提出が必要であり、採点結果は面接試験時に資料として用いられる。
・経験した疾患名、症例数および検査の記入用紙・症例サマリー10例。

日本認知症学会専門医

専門医申請には以下の要件を満たした場合に申請することができる。
・日本国の医師免許証を有すること。
・申請時において、継続して3年以上の学会会員歴があり、かつ、申請書提出の前、直近3年間に会員として1回以上、学会学術集会に参加していること。
・認知症の臨床に従事していること。
・学会認定の教育施設において3年以上の研修を修了していること。
・専門医制度細則に定める認知症関連学会の専門医資格を有すること。
・本学会理事・監事・評議員・名誉会員もしくは専門医1名の推薦を受けること。
・日本精神神経学会、日本神経学会、日本老年医学会、日本リハビリテーション医学会、日本内科学会、日本脳神経外科学会、日本老年精神医学会。

審査は筆記試験および症例報告書・申請書により行う。
症例報告書3症例:認知症専門医としてふさわしい医学的素養、臨床技能、医療に対する姿勢などを判断する。症例報告書には認知症臨床の実践報告的な性格が求められ、具体的には診断、治療方針・計画、治療やケアの実践について、主治医としての思考過程や患者・家族への説明・働きかけが明らかにされる必要がある。

病院・施設一覧(順不同)

MAP

キャリアパス・コース

コース図

先輩の声

認知症専門医コース
池田 将樹‖昭和62年卒業
日本は高齢化社会が急速に進行しており、認知症の患者数は急増しています。神経内科では、神経学的診察と高度な検査技術によるレベルの高い診断を行い、認知症の早期治療に繋げて行きたいと考えています。群大神経内科は群大病院認知症疾患医療センターと連動し、認知症患者さんが暮しやすい生活ができるため、介護ケアにつながるシステム構築も行っています。同時に未だ解明されていない種々の認知症疾患の基礎的・臨床的研究により、診断や治療に向けての先進的な取り組みを行っています。このような状況で神経内科医の社会的ニーズが求められており、活躍の場が与えられていることは他科には無い大きな魅力と言えます。

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