5-3 消化器外科(1)専門医キャリアパス
群馬大学医学部附属病院:Director; 桑野 博行・宮崎 達也

キャリアパス概要

消化器外科という分野は外科学の中で一般的にすべての外科医が経験する必要のある頻度の高い分野です。サブスペシャリティである消化器外科専門医の取得には基本学会として外科専門医を先行して取得する必要があります。本キャリアパスでは、日本外科学会の定めた外科専門医修練カリキュラムに則った一定の修練を経て、一般外科診療に関する標準的な知識と技量を身につけた上で、消化器外科領域の専門性を身に付けることを目標とし、かつ国内外で最高レベルの診療を地域に提供することのできる消化器外科医の養成を目指します。

キャリアパス到達目標

・臨床医に必要な3つの力、CCC:Clinical Skill 【S】Clinical Research Mind 【R】Character 【C】
一般外科医療の標準的な診療能力を身につけるとともに、消化器外科専門医として幅広く専門性の高い医療を提供できる。【S】 【R】
新しい知見や技術を積極的に取り入れ、診療を改善するとともに、自ら新しい知見や技術を探求・発信できる。【S】 【R】 【C】
地域に信頼される標準的で広範な医療を提供できるとともに、消化器領域での高度な医療を提供する。【S】 【C】

取得を目指す資格の詳細

外科専門医

外科専門医は、修練医が日本外科学会(以下、学会)に修練開始登録の後、学会の指定した外科専門医修練施設(指定施設)における通算5年以上の修練を行い、外科専門医修練カリキュラム到達目標3に定める手術症例350例以上(術者として120例以上)経験した場合申請できる。書類審査並びに予備試験(筆記試験)、認定試験(面接試験)を経て認定される。なお、修練期間は、卒後初期臨床研修期間満了後6ヶ月以内に修練開始登録した場合に限り、臨床研修開始時まで遡って登録したとみなす。
《参考:到達目標3に定める経験する各領域の手術手技の最低症例数》
①消化器および腹部内臓(50例)②乳腺(10例)③呼吸器(10例)④心臓・大血管(10例)⑤末梢血管(10例)⑥頭頚部・体表・内分泌(10例)⑦小児(10例)⑧外傷(10例)⑨内視鏡手術(10例)

消化器外科専門医

日本消化器学会の定める以下の規定を満たした場合に申請することができる。審査は書類および口頭試問により行う。
・外科専門医であること
・継続3年以上本学会会員であること
・臨床研修修了後、指定修練施設(認定施設及び関連施設)において所定の修練カリキュラムに従い、通算5年間以上の修練を行っていること(450例以上の診療経験が必要)
・消化器外科に関する筆頭者としての研究発表を6件以上(論文3編を含む)
・本学会総会及び大会へのそれぞれ1回以上の参加並びに本学会教育講座(教育集会を含む)全6領域の受講)

日本消化器病学会専門医

日本消化器病学会の定める以下の規定を満たした場合に申請することができる。申請書類及び試験によって審査を行う。
・継続4年以上本学会の会員であること。
・会員として本学会が定めた講演会に1回以上の出席があること。
・申請時において認定内科医または総合内科専門医、外科専門医または外科認定登録医、放射線科専門医、小児科専門医のいずれかの資格を有すること。
・認定内科医資格取得に必要な所定の内科臨床研修修了の後3年以上、外科専門医予備試験受験資格に必要な所定の外科臨床研修修了の後2年以上、放射線科専門医資格取得に必要な所定の放射線科臨床研修修了の後2年以上、あるいは小児科専門医資格取得に必要な所定の小児科臨床研修修了の後2年以上、本規則により認定される認定施設もしくは関連施設において臨床研修を修了していること。

日本消化器内視鏡専門医

・申請書類及び学術試験によって審査を行い、専門医として必要な条件を満足するものを専門医として認定する
・日本国の医師免許証をもっていること
・申請年度の6月30日を基準として、5年以上継続本学会会員であること
・5年以上指導施設で研修していること
・申請時において日本内科学会、日本外科学会、日本放射線学会、日本小児科学会のいずれかの認定医もしくは、専門医の資格を有すること
・学会の定める業績で以下の3項目を満たすこと
1.「 Ⅰ出席・Ⅱ講演・Ⅲ論文」の総合計点数が5年間で50点以上
2.「 Ⅰ出席・Ⅱ講演・Ⅲ論文」の本学会分の合計点数が5年間で30点以上
3.「 Ⅰ出席」の中の学会セミナーまたは地方会セミナーのいずれかの出席回数が1回(5点)以上

日本消化管学会認定医

・日本国の医師免許証を有すること
・学会の会員であり、かつ、申請時に継続して3年以上の学会員であること
・学会が定めた過去5年間、委員会が指定した教育企画に参加し、学会の定めた所定単位を総合して50単位取得した者
・本学会代議員2名の推薦書、または本学会教育集会 当番世話人1名の推薦書

がん治療認定医

・所属する基本領域の学会の認定医又は専門医の資格を有すること
・がん治療認定機構(以下、本機構)の定める認定研修施設において、初期研修期間を除く通算2年以上のがん治療修練を行っ ていること
・上記施設における20例以上のがん治療の診療経験
・がん診療に関する学会発表が2件以上、論文発表が1件以上あること
・本機構が開催する教育セミナーに参加し、認定試験に合格していること
・本機構が定める学術単位を合計20単位以上取得していること

病院・施設一覧(順不同)

MAP

キャリアパス・コース

コース図

先輩の声

病院診療リーダーコース
宮崎 達也
消化器外科を含めた外科領域では、基本的な外科的手技と全身管理が習得できます。また、消化器全般を診断治療する必要があることから、内視鏡や超音波、造影などの検査・治療手技も身につけることができます。その上で、専門性を高めるべく手術の技術を経験し、学問としての外科学、腫瘍学を学び身に付けることができます。群馬県内の病院施設は症例数も多く指導医にも恵まれているため絶好の修練の場と言えるでしょう。

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