5-2 小児外科専門医キャリアパス
群馬大学医学部附属病院:Director; 桑野 博行・鈴木 信

キャリアパス概要

サブスペシャリティである小児外科専門医の取得には基本学会として外科専門医を先行して取得する必要があります。本キャリアパスでは、日本外科学会の定めた外科専門医修練カリキュラムに則った一定の修練を経て、一般外科医療に関する標準的な知識と技量を身につけた上で、小児外科領域の専門診療における、小児の成長を考え合わせた特性や小児の外科疾患の特徴について十分な知識と経験を有した、「こどもを安心して預けることができる外科医」の養成を目指します。

キャリアパス到達目標

・臨床医に必要な3つの力、CCC:Clinical Skill 【S】Clinical Research Mind 【R】Character 【C】
一般外科医療の標準的な診療能力を身につけるとともに、小児外科専門医として幅広く専門性の高い医療を提供できる。【S】 【R】
新しい知見や技術を積極的に取り入れ、質の高い医療を提供すると共に、自ら新しい知見や技術を探求・発信できる。【S】 【R】 【C】
小児外科医として、こどもを安心して預けることができる信頼された医療を提供できる。【S】 【C】

取得を目指す資格の詳細

外科専門医

外科専門医は、修練医が日本外科学会(以下、学会)に修練開始登録の後、学会の指定した外科専門医修練施設(指定施設)における通算5年以上の修練を行い、外科専門医修練カリキュラム到達目標3に定める手術症例350例以上(術者として120例以上)経験した場合申請できる。書類審査並びに予備試験(筆記試験)、認定試験(面接試験)を経て認定される。なお、修練期間は、卒後初期臨床研修期間満了後6ヶ月以内に修練開始登録した場合に限り、臨床研修開始時まで遡って登録したとみなす。
《参考:到達目標3に定める経験する各領域の手術手技の最低症例数》
①消化器および腹部内臓(50例)②乳腺(10例)③呼吸器(10例)④心臓・大血管(10例)⑤末梢血管(10例)⑥頭頚部・体表・内分泌(10例)⑦小児(10例)⑧外傷(10例)⑨内視鏡手術(10例)

小児外科専門医

日本小児外科学会の定める以下の規程を満たした場合に申請することが出来る。審査は書類と筆記試験により行われる。
・申請時に外科専門医の資格を有すること
・通算7年以上の外科医としての経験を有すること(うち5年以上は外科臨床研修とする)
・日本小児外科学会が行う小児外科専門医筆記試験に合格していること
・小児外科に関する研究論文および症例報告を各1編以上あること(筆頭著者)
・その他の小児外科に関する論文が3編以上あること(筆頭問わず)
・学会、研究会での、小児外科に関する演者として3回以上の発表
・申請の時点で、3年以上連続して日本小児外科学会員であること
・小児外科研修認定施設での通算36ヶ月以上の修練を行っていること

がん治療認定医

所属する基本領域の学会の認定医又は専門医の資格を有すること
・がん治療認定機構(以下、本機構)の定める認定研修施設において、初期研修期間を除く通算2年以上のがん治療修練を行っていること
・上記施設における20例以上のがん治療の診療経験
・がん診療に関する学会発表が2件以上、論文発表が1件以上あること
・本機構が開催する教育セミナーに参加し、認定試験に合格していること
・本機構が定める学術単位を合計20単位以上取得していること

小児がん認定外科医

・小児外科専門医であること
・がん治療認定医であること
・申請時において継続して3年間以上日本小児血液・がん学会会員であること
・小児がん症例に関する全身麻酔下手術を20例以上経験していること
・学会の定める学会・教育セミナーに出席し、定められた研修単位数を満たすこと
・小児がんに関する学会発表が3件以上(筆頭演者1件以上)、論文発表が3件以上(筆頭著者1件以上)あること

病院・施設一覧(順不同)

MAP

キャリアパス・コース

コース図

先輩の声

病院診療リーダーコース
鈴木 信
小児外科では脳・心臓以外の殆どの臓器を扱っているため、全身管理が習得できます。さらに、小児特有の疾患〜成人領域でも診療する疾患まで非常に幅の広く、かつ専門性の高い診療を行うため、小児〜成人領域まで広く診療することが可能になります。群馬県では専門施設が集約しているため専門施設の多い大都市に比べ一人一人の経験症例が多いのが特色です。外科医において経験に勝る修練はなく、日常疾患から希少疾患まで幅広くかつ多く経験できる群馬での修練をおすすめします。

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